外国首脳として、初のトランプ米次期大統領との会談を行って、ペルーのリマで開催されるAPEC首脳会議に乗り込む安倍首相は、今は得意の絶頂でしょう。何しろ、APECに集まる首脳連中の中で、唯一、トランプ次期大統領と会談を持った首脳だからです。
矢張り米国は大きな存在です。次期米国大統領が、どのような対外政策を採ることになるのか、世界の関心が集まっています。安倍首相にコンタクトしてくる首脳は多いことでしょう。
もちろん、米国の今後の対外政策はどのような方向に向かうかは分かりませんが、先ず、会って、45分の予定のところ1時間半も会談したことは良かったと思います。次期大統領の頭の中で、日本の重要性が大きかったと思いたいです。
今度の米大統領選を観ていて、ヒラリー・クリントン候補にだけはなって欲しくないと感じていましたが、未知のトランプ候補で大丈夫なのかとも思っていました。
トランプ候補が勝利した背景には、行き過ぎたグローバリズムへの反動があったことが分かりました。私たちは、米国といえば、ワシントンや、ニューヨークに代表される東海岸や、カツフォルニアを中心とする西海岸をイメージしていました。
これらの地域は、グローバリズムの恩恵に浴している地域でした。
一方、トランプを支持した中南部地域は、グローバリズムによる犠牲者的意識が強い人が多かったようです。
グロ−バリズムで表現されることの中には、金融、貿易などの経済問題のほかに、不法移民を含む移民、、難民などの問題も含み、テロへのつながりが出てきます。
グローバリズムは、世界の投資と貿易を拡大しました。
多くの途上国に恩恵をもたらした反面、それらの国の内状を複雑化させたように観られます。
最も大きな恩恵を被ったように見えるのは中国です。
グローバリズムによって米国に次ぐ経済規模に成長しました。しかし、その発展の仕方は、バランスのとれないまま、異常なスピードで達成しました。
グローバリズムは、中国という世界第2位の規模の、巨大な奇形国家を誕生させました。
この様な中国の存在は、中国自身を苦しめるとともに、世界経済のいわば大きなガンとなっています。
トランプのアンチグローバリズムは、選挙運動中の言辞に大きく現れています。
メディアは、ブレグジットに続くナショナリズムといって毛嫌いしていますが、攻撃的ではない最小限の国益を守る体制は必要です。
現実に即して、どのように解決していくのでしょうか。
日本は、本格的にはグローバリズムについてはいけませんでしたが、自由な投資、貿易を重視している民主国家です。
トランプ次期大統領の言辞そのままに実行されては日本の利益になりません。
友好国の国益を相互に理解し合う関係が必要です。
日本の政権は、次の時代の日米関係に向かって新たな努力を続ける必要があります。
いち早くミーティングを持った安倍首相に期待したいところです。