8月15日が過ぎて、終戦関連の行事が全て終わり、世の中が少し静かになりました。
しかし、未だ、リオ五輪が22日(日本時間23日)まで続きます。
ブラジルは、40年近く前に、数年間お世話になった国で、人生で最も大きな影響を受けた国です。
懐かしさとともに、大丈夫かなという想いをもって観ています。
詳しくはトレースしていませんが、報道されたり、ネットの話題を見ていると、予想通りと言いますか、今のところ、私にとっては意外なことは殆どありません。
ブラジルは変わっていないな、というのが先ずもっての感想です。
期日までに、五輪大会を開催するハード、ソフトが間に合うのか、というのが第一の懸念でした。
いくつかのトラブルが報道されていますが、何とか間に合ったようです。
最高の大会からはほど遠かったと思いますが、1日、酷い雨が降った日があったようですが、天候に恵まれているようです。
何とか競技が行われているようで良かったと思います。
そもそも、リーマンショック前、BRICSと呼ばれて好調な経済を謳歌していたブラジルは、自信を持って南米初の五輪開催に手を挙げました。
しかし、その後世界経済は中国の経済悪化に引きずられるように勢いを失いました。
現在は、ブラジルを含む途上国経済は、日米欧の超金融緩和によって、何とか破綻を免れているのが実態です。
その上、ブラジル政界腐敗による政治危機のまっただ中にあり、大統領弾劾中ということで、政治の動きが止まってしまっています。
恐らく、世界中から一流アスリートと、このパフォーマンスを見に来る観光客を招いておいて、数々の失礼をしていることでしょうが、これがブラジル式の"おもてなし”で、この社会のありのままを観ていただいていることだと思います。
普通は、それでもブラジルは素晴らしいとなることでしょうが、今回は、五輪開催ですからどのような評価になるのでしょうか。
最も懸念していたことはセキュリティです。
昔、私がサンパウロのいた頃の話ですが、FBIの警官が休暇でやってきて、路上強奪に遭ったと新聞に出ていました。
今回も色々あったようですが、昔と変わったのは、短銃やナイフが登場することです。彼らも進歩しています(笑)。
襲撃という言葉も聞かれました。テロではありませんから、犯罪で襲撃というのでは、相当な武器と規模によるものでしょう。
旅行者は格好のターゲットになります。
他人から、
「昔、居たところですから、五輪見物に行ってみたいでしょう?」
と訊かれますが、とてもこの歳になって行くところではありません。
老人はまず最初に狙われます。
経済不況と犯罪数は正比例関係にありますから、恐らく刑務所はもう満杯でしょう(笑)。
とは申しても、ブラジル人は陽気で明るく、ある意味人情に厚いところもあります。上手に旅をすれば楽しい国です。
良く、五輪の後に不況が来ると言われますが、不況下に無理した五輪ですし、経済は更に下押しするのではないでしょうか。
しばらくすると、何度目かの国家デフォルトに陥るのではないかと心配しています。