(不忍池)
人類って頼りないものですね。
何時、第三次世界大戦になってもおかしくない様相を呈してきました。
これから百年は世界の火薬庫となる、と言ってもおかしくないほど中東やリビアは手がつけられない状況です。
イスラム圏といっても、スンニ派ありシーア派あり、ISやクルド族ありで、それにEU、米、露、トルコなどが絡んで、果てしない戦闘になっています。
簡単には和平は難しそうです。
ここで和平もしくは休戦ができなければ、シリア国内、周辺国家へ、EU諸国への難民問題は解決しません。
シリア難民問題で、欧州統合の理想も消え去りつつあるように思えます。
テロの対象となり被害を受けた仏と他のEU諸国の足並みも乱れています。
ISへの空爆などは、仏英が中心で、独は後方支援と情報収集機の派遣にとどめています。
難民受け入れも足並みが揃っているとも思えません。
英の離脱問題を背景にしたEU内での特例要求を認めたにもかかわらず、6月の国民投票でどちらになるかは分かりません。英が、EUに留まっても、準加盟国的な存在になっていくとの見方もありますが、EU各国の本音の部分と重なり合うため、そのようなことにはならないとの見方もあります。
いずれにしても、EUの結束は揺ること間違いありません。
EU内で一人勝ちだと思われていた独は、中国への思い入れが強く、VW社に続いてまさかのドイツ銀行までも資金繰りが疑われるなど、中国経済の問題に巻き込まれつつあり、難民受け入れと並んで、国家を代表する2社の不振を抱えることになっています。
米は、一年後の次期政権の稼働まで、現政権のレイムダック状態が続きます。アジアも中東も現状より悪くならない方向を選択するでしょうが、積極さが全く見えません。
次期大統領も、どのような人が選ばれるのかも見当もつきません。
ロシアは、外貨準備は減っていないようですが、通貨ルーブルは下落して、恐らくインフレは酷いのではないでしょうか。
それでも、EUの動揺を尻目にシリアで存在感を示し、EUにも大きなストレスを与えています。
今は、アジアに手を出す余裕はないでしょう。
中国は内政、外交とも行き詰まって、前にも述べましたが、政策提示能力も失ってしまっているのではないでしょうか。
国連による北朝鮮への制裁に関しても、中国が意志決定できず、逃げ回っているようにも見えます。
ある中国通のブログによると、人民解放軍の組織変更を断行することになっているが、これが習近平の思い通りに進んでいないそうです。
北朝鮮国境は瀋陽軍区の任務になっているが、この軍区は上海派に押さえられているとのことで、7軍区を5戦区に纏めようとしているのは、瀋陽軍区を北京軍区に併合して一つの戦区にし、中央の意向が通りやすくする目的があったそうです。
しかし、どうやらこれが実現しなかったようです。
北朝鮮が、中国にあれほど強気なのは、瀋陽軍区が付いていたからなのかと思うと、納得できる話です。
習近平もおちおちとは眠れないでしょう。
中国の瀋陽軍区と北朝鮮のことですから、生ぬるい経済制裁は、双方に格好の利益になるのではないでしょうか。瀋陽軍区は、そう簡単には利権を手放さないでしょう。
北のミサイル発射後、米韓間で急速にTHAADの話が進み出したので、中国としては厳しい立場に追い込まれています。
この様に、世界の状況を並べてみますと、中東、北東アジア、南沙諸島などで、小さなトラブルを発端に、何時大国を巻き込んだ戦争になってもおかしくないように思います。
平和ボケした日本の国会を見ていると、情けなくなります。