シンガポール建国の父であるリー・クアンユー元首相が逝去しました。
アジアの偉大な指導者の一人です。日本を高く評価してくれました。
安部首相には、国会開催中ですが、是非葬儀に参列していただきたい。まさか、野党が賛同しないことはないでしょう。
シンガポールは、小さな国ですが、存在感のある民主主義国家です。
リー元首相も高齢には勝てず、他界することになりましたが、彼のレベルで世界を見渡すと、世界の指導者に人がいなくなったことが痛感されます。凡庸か、碌でなしだらけのように見えます。
もちろん、世界が理想から後退している時期ですから、誰がやっても、歴史に残るような格好よい政治はできません。そのような前提で見ても、人々の心を一つにまとめ上げるような指導力を持ったリーダーは見あたりません。
世界のリーダー米国大統領は、任期はあと一年半ぐらいのレイムダックになりかかっています。
その上、与党民主党をも含め、議会との折り合いが悪く、大きなことができなくなっています。議会は、警戒して、大統領権限に任せないようにしています。TPP交渉も、オバマ大統領の間は無理だと見られています。
外交的にも、米国が一貫して支持してきたイスラエルを裏切り、関係が悪化しています。
中東では、何をやっているのか分かりません。
欧州ともしっくりいっていません。
ウクライナ問題では、外交的、軍事的に腰の引けた米とEUの間にはすきま風が吹いているように思います。
英、独、仏、伊のG7メンバーが、日米が嫌っている中国主導のAIIBへの参加を表明したりで、オバマ大統領の間は、世界は不安定さを増していくのではないかと危惧されます。
日本にとっては、ウクライナが遠い問題ですが、EU各国にとっては、中国は軍事的な脅威というよりは、大きな市場としての魅力を感じるのでしょう。
EUは、、英国サッチャー首相以上の長期政権である独メルケル首相の下、実力者の独の力が増していますが、EU全体が良くならないことにはどうにもなりません。
EUを作った目的の一つが、独の独走を防ぐためとも言われていますから、その意味では独の押さえ込みの機能は果たしていますが。
メルケル首相にしても、独の経済的実力を背景にしているので、EUの中で重い存在ではありますが、リーダーという感じではありません。
中国と露は、指導者が、自国民を犠牲にしても、自分の地位を守りたいという、典型的な独裁者ですから、もし、やり手であったとしても評価はできません。
思想が貧弱ですから、国際社会のリーダーにはなり得ません。
どちらかと言えば、人類の敵で、碌でなしと呼んだ方がよいと感じます。
中南米は、国家が苦況にあるところが多く、強いリーダーの出現は難しいでしょう。
インドのモディ首相は未知数ですが、上手く国をまとめ、しっかりとした外交をはじめています。ガンジー、ネルーなどの指導者のを超えるイメージを感じさせます。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、最初の外遊先に日本を選びました。
アジアのどの国も、中国の存在感を感じながらも、中国からどうやって身を守るかを考えています。その意味で、日本との連帯を求めている国が多いです。
この様に見回してみると、常に国民の多数が支持している安部首相は、世界でも希な存在で、外交的センスと行動力には、眼を見張るものがあります。
国内では、支持率も50%以上を維持し、対抗勢力はありません。この安定期に、できるだけ懸案を解決して欲しいと思います。
国内に中国、韓国と同じような考え方の勢力が一部にあって、安部首相は、極右だとか、ヒトラーだとかのプロパガンダが行われています。
先般フランスでのテロを契機に、フランスのオランド大統領は、中東に向けて航空母艦を派遣し、ISなどのテロ勢力への攻撃に参加しています。オランド政権は社会党政権、言わば、左派政権です。
国際的な物指しでいえば、安部首相は、精々中道右派ぐらいの位置づけではないでしょうか。
日本では、不思議なことに、右派とか右翼、或いは民族主義は強くありません。
政治地図では、少数の右派があって、中心は、中道右派から、リベラルと自負する勢力、外国と呼応する共産党などの左翼、さらには革マルなどの極左から資金を受けているグループまで、かなり左シフトの構成になっています。
韓国辺りであれば仕方がないと思いますが、デモで、安部首相の顔をヒトラーの顔に代えて悪口をいってる市民と称する人たちがいますが、フツーの国民の感覚からは、かなりかけ離れたものではないでしょうか。
表現の自由がありますから何とも言えませんが、安部首相が特定の民族を虐殺する思想を持っているとでも言うのでしょうか。
こうやって見てくると、安部首相を抱えた日本は、恵まれていると思います。