元日の記事で、今年が、「恐ろしい年にならないことを祈っている」と記しましたが、日本は、今、きわめて危険な状況にあると考えています。
世界の政治形態を大きく私なりに分けると、
1.欧米や我が国などの安定した民主主義国家、
2.選挙によって政治が運営されるが民主主義国家にはなりきれていなくて不安定な国家群(韓国を含むアジアの大部分の国、中南米の諸国家など)、
3.イスラム圏の世俗国家群(サウジ、エジプトなど)
4.独裁国家で内部に大きな矛盾を抱えている国(中国、北朝鮮、キューバ、ベネズエラなど))
5.宗教オリエンテットな原理主義国家(イランやアラブ圏一部の政権、イスラム国など)
6.国家という概念に馴染まない地域(アフリカなど)
のように分けられると思います。
これらの基本的に政体や価値観の異なる民族国家が、国益や、独裁国家では独裁者の利益を守り拡張するために外交的にせめぎ合っています。外交の裏にある軍事力が使われることもあります。
旧ソ連は、明らかに4.独裁国家でしたが、ソ連邦解体によって、ロシアは、2.に変わったように感じていましたが、クリミアやウクライナでの最近の動きを見ていると、どうやら4.に近い国家であることが分かってきました。
第2次大戦後の我が国は、非キリスト教国家、非欧米で唯一の安定した民主主義国家です。
欧米と我が国は、根本的なところでは大分異なる文化圏ですが、自由、平等、人権、環境などの民主主義の原理を共有しています。
有史以来中国大陸の文明を移入してきたのと同じように、明治維新と、第2次大戦の敗戦を通して、欧米から多くの文明を移入しました。
しかし、欧米に飲み込まれたわけではなく、日本らしさを根底に維持しながら、好ましいもの、より優れたものは貪欲に取り込んできました。大陸からと同様に、日本に合わないものは移入していません。
今や、中韓を除く世界からは様々な観点から高く評価されている日本ですが、国家経営の観点からは、きわめて難しい時点に来ています。
反日を独裁政権維持に利用しながら内部の権力闘争に明け暮れかつ人命を軽視し、露骨に拡張主義に走る中国、日本を否定しなければ国家として成り立たない程にアイデンティティを見失っている韓国、極悪非道の独裁国家北朝鮮などが隣国です。
それに加えて、事実上独裁国家でかつての拡張主義の本性を現したロシアが隣国です。
このうち、中国、ロシアは核大国、北朝鮮も公然と核兵器を開発中です。
こんな中で、戦争放棄を唱った民主国家日本が、戦争をする国になるというプロパガンダには苦笑せざるを得ません。
第2次大戦を経験した後70年後の日本が置かれた状況を冷静に考えなければならない時に、戦前の経験を持ちだして、状況に応じた対応をしようとする政府が批判されるのは、実に奇妙な光景です。
かつてどこかで書いたことがありますが、日本はニュースを買うだけで、国際的にニュースを発信しません。
朝日新聞による慰安婦報道のように、日本の負を強調する記事(これはデマでしたが)などが、韓国に影響したり、海外の韓国系や日本人契約記者によってコメントされたりしてはいますが、日本の正の部分については、ニュースの発信も少なく、文献も多くありません。
一方では、中国に関する文献ニュースは多く、欧米人の理解度では、大分ハンディをつけられているようです。
日本のメディアや学者は、変なプロパガンダに精を出さないで、海外の人たちに、日本のあるがままを発信して欲しいと思います。
先に述べたように、日本は民主主義国家ですが、欧米人には理解できない側面を持った非キリスト教国なのです。
民主主義の価値観を共有する関係として安心しないで、たゆまなく自分を説明して行く努力が求められます。
もちろん、英語など大勢の人が話す言語でです。
そして、日本は戦争をしない国であること、アジアに於いて地政学上厳しい立場にあることなどを積極的に発信し、外交の下地を作って欲しいところです。
日本から、憲法を改正して戦争をする国になる、などいったデマを発信しないで貰いたいと思います。
もし、憲法を改正したとしても、戦争をされることを防止するためであることをしっかり理解させていただきたい。
アジアは、危険が満ちています。
落ち着いて、自分たちがどうしたらよいのか考えたいものです。