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民主党政権下のエダノクン、レンホークンたちによる事業仕分けの結果、音楽関係の助成が大幅に削られました。(他の分野の文化関係も同じことだったと思われますが。)
反対運動のキャンペーンメールが回ってきたので、私も当時の文科省政務官(名前は忘れた)に仕分けによる減額反対のメールを送りました。
その前から、新国立劇場のオペラは、舞台装置などは質素で物足りなさを感じていましたが、事業仕分けの後は、その傾向は一層強まりました。
アイーダは、ピラミッドの国古代エジプトが舞台で、大きなステージで、豪華なセットが求められます。
過去に2度ほど観ましたが、何れも倹約型のもので、このオペラに秘められている大きな感動、魅力を引き出してはいませんでした。
時折外国から来る一流オペラでは、飛び抜けてチケットが高い上に、なかなか手に入れることも難しい状況です。新国立劇場開場15周年記念と銘打ったヴェルディ生誕200周年のこのアイーダはどうなるのだろうと楽しみにしていました。
昨日のマチネー観てきました。
素晴らしかったです!
巨匠ゼッフィレッリによる圧巻の舞台と演出によって、一流の楽しみを味わいました。
エジプト軍凱旋のシーンが、特に豪華絢爛で圧巻でした。
素敵なバレーに続いて、恐らくフルメンバーに近い新国立劇場合唱団が「凱旋行進曲」を歌う場面では、舞台が人々で満ち、音楽はホール全体に満ち溢れ、馬(2〜3頭)まで登場するという念の入れようでした。
私は、共に凱旋行進曲を歌っているような気分になってしまいました。
このシーンなのだ、私が期待していたのは、と思いました。
アイーダを演じたラトニア・ムーア、ラダメス役のカルロ・ヴェントレが素晴らしく、ドラマが進行するにつれて声に輝きが増し、素晴らしい歌唱を聴かせてもらいました。
二人のデュエットが続きましたが、高音のフォルテッシモでオクターブがピッタリ合って、ゾクゾクしました。
ラトニア・ムーアの切ない場面でのピアニッシモは、涙が出るほどに美しかったです。
イタリアのヴェルディとドイツのワグナーが、同じ年の生まれだとは今年になるまで知りませんでした。
この前、
ワグナーのタンホイザーを観ましたが、この同い年の巨匠には、お互いの影響が全く感じられません。不思議ですね。
それほど、それぞれが強い個性を持っていたのでしょう。
新国立劇場は、このオペラにこれだけ予算を使ってしまって、後のオペラは大丈夫なのでしょうか(汗!)。
しかし、せっかくアイーダをやるなら、これでなくてはいけません。