8月から9月にかけてのロンドン旅行の際、例の二階建ての赤い路線バスの中で撮った表示です。
かねてから、日本の鉄道や、バスに設けられている優先席の表示が不自然で、日本語としておかしいなと感じていました。
多くの場合、
優先席、優先座席、専用座席、(昔はシルバーシート)などの表示と
のような抽象的な画像が中心で表示されています。
小さな字でコメントがついている場合もあります。
長年、日本で暮らしていますから、この表示の意味するところは良く分かります。しかし、見る度に変な日本語だなと思います。
併記されている英語のPriority seatも、外国人には分からないのではないかと思います。
米国暮らしが長かった友人も、これではアメリカ人には分からない、と言っていました。
私が暮らしていたロンドンではどうだったか、何しろ22年前のことですから良く覚えてはいませんが、地下鉄にはこのような席はなかったのではないかと思います。
ただし、バスにはあったように記憶しています。
Priority seatsと表示してあったかどうかは分かりませんが、elderly,handicapped,pregnantなどの表現と、その人たちのための席があったように思います。
英国では、自分より弱い人に席を譲ることは至極当然のことなので、バスの中、特に二階建てのバスの一階に、日本で言う優先席を設ければ十分だったのではないかと思います。
今度のロンドン旅行で、バスの中には冒頭の写真のようなな表示がありました。さらに、優先席の他に、車椅子、乳母車専用のスペースがありました。
そして地下鉄にもPriority seatsがありました。
Priority seats for those who elderly,disabled,pregnant等々と表記されていました。
しかし、ロンドンの地下鉄は、日本の公共交通機関のようにバリアフリーにはなっていません。身体が不自由な人や弱い人は利用しにくいと思いました。
住んでいた50歳前後の頃には感じなかったことですが、eldelyとなってしまった今回は、強く感じました(笑)。現に、
前にも報告したように、地下鉄で、中国人青年から席を譲られたのですから。
この20年間に、日本の公共の場所で、バリアフリーがほぼ完璧に普及したのは胸を張って良いことだと思いました。
話を優先席に戻しますが、日本でも、このように「誰々のための優先席」と明瞭なコメントをつけた優先席にして、目的を明確にした方がよいと思います。
そうすれば、若い人が大股で座って占拠するなどということも少なくなるでしょう。
調べてみると米国でもPriority seatsの表記があるようで、これを優先席と訳したまでは良かったのですが、英語圏でも、日本語でも、優先席あるいはPriority seatsは、日本で使われているような概念を含んでいる言葉かどうか、をしっかり吟味する必要があったのだと思います。
日本のPriority seat を解説した英語のサイトで知ったことですが、上の例示画像で、左から3番目は、年寄りを表していますが、外国人には分からないようです。
これは、老人を表し、特に日本の女性は、カルシューム不足で、年を取ると腰が曲がるのだ、とコメントしていました。
そうは言っても、すでに定着した言葉になっているような気もします。
関西の私鉄や、横浜の地下鉄のように、全席優先席なんて言う表現を見ると、私などは頭がおかしくなります(笑)。何か逆立ちしていますね。
全席優先席? 昔は、当たり前の社会ルールでしたが。
日本でうるさく言われていて、全く守られていない「優先席近辺での携帯電話の電源を切れ!」という指示は全く見かけませんでした。