(ロンドン クルムウエルロードにて)
8/28日、ベルリンから帰国するクール・ドゥ・シャンブル一行と別れて、一週間の滞在予定で、懐かしいロンドンに回りました。
私は16年ぶり、妻は22年ぶりです。
ホテルは、昔住んでいたEnnismore Gardens(ハイドパーク プリンスゲートから南に150m入った辺り)から遠くない地下鉄グロスターロード駅の近くにとりました。
ホテルに落ち着くと、一息入れて、早速Ennismore Gardensに向かいました。
住宅は7軒のテラスハウス(5階建ての長屋で、各戸にエレベータがある)で、我が家が使っていた部分は改修中のため、足場やテントが張ってありました。誰かが住んでいるところを外からでも見たかったので、やや残念な気持ちでしたが、周辺の雰囲気があまり変わっていないのには救われた気持ちがしました。
ロンドンの中心街は、外国人だらけでした。
22年前、私たちが暮らしていた頃も、休日などは観光客が満ちあふれていましたが、今や、休日と言わず、毎日がそのようです。
英語が聞こえません。中近東の人たち、中国からの観光客、東欧の人たちなどがそれぞれの言葉を大声で話しています。他人にドンドンぶつかられます。昔は、他人の体に触れることに細心の注意をつかっていた社会でしたが、観光客にはそのような配慮はありません。
他人にぶつかってしまった時には、必ず
「I'm sorry!」「Sorry!」
などの言葉が聞こえたものですが、そのような言葉も聞こえませんでした。
中近東と思われる人たちが増えました。定住者も観光客もそれぞれ増えたのでしょう。
有名な百貨店ハロッヅ(オーナーはエジプト人で故ダイアナ妃のパトロン)をはじめ、中近東の人が経営する店も多いようで、売り手も買い手もアラブ人という光景が目につきました。
夜になると、アラブの人たちは、男だけで連れ立って歩くことが多く、道ばたのカフェなどに若い男が数人でたむろしていると、思わずよけて通ってしまいます。
女の人は、目だけしか出していない人から、ファッショナブルな花模様のものをスカーフのように着こなしている人まで様々でした。多様なイスラム教徒が共存している姿はロンドンならではの光景ではないではないでしょうか。
ふと9/2(金)にハロッヅの前を通ると休日でした。イスラム教の休日は金曜日であることを思い出しました。
もはや、ハロッヅの近くからナイツブリッジにかけては、イスラム教圏ではないかとすら思えます。
中国人が増えました。定住者と思われる落ち着いた立ち振る舞いの人から、団体旅行の粗野な人まで幅広い中国人が見られます。
地下鉄の中で、中国人と思われる青年から席を譲られました。立派な青年でした。
ロンドンの中国人を見ていて、中国という国は今後どうなるか分かりませんが、中国人は世界各地で確実に力を持ってくるのではないかと感じました。
恐らく、ビジネスの中心地シティでも、私が働いていた頃からそうでしたが、外国資本、外国人の活躍が益々大きくなっていることでしょう。
いわゆるウインブルドン現象は、英国経済全般にわたってさらに進行しているのではないでしょうか。
外国人を活躍させて、英国経済を維持している国家経営力は相当なものです。
現在でも、英国国債は、独、仏と並んでAAAの評価を維持しています。
日本も、このような道を歩むのでしょうか、それとも別の道を見いだすのでしょうか。