南の尖閣で、中国に対して凛とした対応が出来なかった上に、途中からすっかり弱虫振りを発揮してしまった日本政府に対して、今度は北方領土でロシアがいじめにかかっています。
尖閣にしても、北方領土にしても、中国やロシアがやったことは、威力偵察程度のことです。威力偵察に対しては、こちらに十分威力があることを示しておかないと、先方は益々頭に乗ってきます。
ここでしっかりしないと、韓国や北朝鮮からもオチョクられることになるでしょう。APECで予定されているロシアとの首脳会談は、すんなりと開催してはなりません。
そもそも、民主党政権が作った日米間のすきま風が発端です。
全共闘の思想そのままに、中国に無防備に近づこうとしたことで、その中国からは足元を見られた上に、ロシアにチャンスを与えてしまったのです。
北方領土問題は、サンフランシスコ講話条約に際して、外務省のチョンボで事態がより不利になってしまいました。現実に、ソ連が占拠している上に、条約で千島列島を放棄してしまいました。後になって南千島((北方領土)は千島列島に入らないなどと主張しても迫力がありません。明らかに、条文を作った外務省の失策です。
それにしても、残念ながらソ連の北方領土の占領政策は完璧でした。
全ての日本人を日本に送還してしまいました。そしてその代わりにソ連人を住まわせました。日本人は一人も残っていないのです。
領土問題の多くは、そこに同胞がいるからこそ、その地の帰属問題が起こるです。民族問題抜きの領土問題も珍しいことだと思います。そう云えば、尖閣も竹島もそうですね。
北方領土には、同胞はいません。そこに住んでいるのは、全てロシア人です。しかも、ロシアが占拠してから65年の年月が経っています。
日本は、決定的に不利な状況です。
それでも、過去にチャンスはありました。
ソ連時代は、彼らは資本不足に悩んでいました。民生の技術も後れていました。日本の資金と技術が、喉から手が出る程欲しい時期が続いていました。
現地のロシア人住民が、日本への帰属を選択さえすれば、ODAに絡めて事実上四島を買い取ることも可能な時期が長い間ありました。
自民党政権は、旧島民に気を遣ってか、その様なアプローチは全くしませんでした。
今となっては、日本に有利な解決は難しいような気がします。
領土問題を棚上げにして、帰属を先延ばしにすることが精一杯ではないでしょうか。
中国を睨んで、ロシアとの友好も大事な外交戦略です。