夏のような暑い日になりそうです。
欧州は、大きな理想の下に、時間をかけて、統合への前進を続けてきました。しかし、今、大変な窮地に陥ってしまいました。
ギリシャ危機救済は、取りあえずセットアップされましたが、欧州の危機は本質的解決には至っていません。この様な矛盾を抱えたまま、統合への道を進むことは地獄に向かうことに等しいでしょう。
だからといって、これまで進めてきたことをギブアップすることも地獄です。
ここでじっくり立ち止まって、各国の財政規律をイコールフッティングにする努力をしなくてはなりません。それを担保するためには、各国の福祉政策、労働政策までにも踏み込まざるを得ないことが、今回のギリシャ危機で明らかになってきました。
今回のEU加盟国の支援に関して、フランスからEU脱退まで持ち出されて迫られ、ドイツ国民が反対する中、メルケル首相の決断で取りあえず実現したとのことです。しかし、世界の株式市場は、未だ下げ続けて、次の政策を催促しているようです。
ドイツは、ユーロ安のメリットが取れるので、他の加盟国からやっかみの目で見られているようで、負担額が大きくなりがちです。
当面は欧州ですが、改めてソブリンリスクに注目が集まっています。
つまり、各国政府の返済能力に注目が集まります。政府の借金の大きさ、借り入れ能力などが比較されるようになります。
そうなると、ギリシャの比ではない借り入れを誇る日本はヤバイことになります。
2008年の時点の
主要国政府債務/GDPのグラフがありますが、現在はGDPの200%を超えています。
国債の消化は、殆どが日本国内の資金によって支えられているので、外国からの借り入れに頼るギリシャなどとは状況が異なるので問題はない、とする考え方がありますが、政府の債務は政府の債務です。何時、投資家の信頼を失うかも知れません。
投資家は常に、投資家の信頼の喪失→国債の暴落(利回りの上昇)→借換債、新規債の金利上昇→財政負担の上昇→政府債務の雪だるま的増大→財政破綻、のプロセスを頭に置いて、国債の入札に応じています。
国債利回りの上昇が、引き金になる可能性があります。
今年度予算は税収より多い44.5兆円の国債を発行して、子供手当などマニュフェストの実行に当てました。
予算編成段階で、この無節操振りを悩んだ形跡がありません。
来年度の予算編成に当たっては、この額は超えない、と財務相は言っていますが、超えないにしてもこれに近い額になってしまうことでしょう。
市場を意識しない脳天気な政権によって、財政破綻が引き起こされなければよいがと願っています。
欧州にとっても、日本にとっても暑い夏を迎えることになりそうです。