(福寿草)
政治の話は、あと2〜3回続けたいと思いますが、ここの所、否応なしにやってくる人の死に振り回されています。
一つは、従兄の死です。本家筋に当たり、いわば一族の惣領に当たる人です。
子供の頃は父の長兄の家ですから、よく遊びに行っていましたが、社会人になる頃から冠婚葬祭などで顔を合わせる程度の関係が続いていました。会えば幼少時の頃ことを思い出し、懐かしく感じる人でした。
78歳、心筋梗塞による突然死でした。
私の父は末弟で、父の兄たちの子である従兄達は、亡くなった人と歳が接近しています。中には元気な人もいますが、この位の歳になると、人は弱るものですね。亡くなった人を悼む気持ちと、従兄達の老けざまを見て気が滅入ってしまいました。
もう一人は、妻の遠い姻戚関係にあたる86歳の婦人の死でした。
数年前に亡くなったその人の夫が、親戚筋に当たるのですが、私たちは亡夫にもその夫人にも会ったこともありません。亡夫以外に縁者のいない天涯孤独な婦人でした。やはり心筋梗塞でした。十分な蓄えがありますが、相続人はいません。
生前から故人夫婦と親しくしていた隣家の人から連絡があってその事実を知りました。身寄りのない人として、市が火葬してくれたそうです。
問題は、残った遺産の処理です。
昔、習った相続法をひもといてみると、この遺産は国家に帰属してしまうことが分かりました。
隣家の人の言によると、亡くなった夫が立派な墓を造り、そこに二人で入ることになっていたようですが、今は名義人である婦人本人がが死んでしまって、墓地側が受け入れることが出来ない状態にあるそうです。
友人の弁護士の知恵を貸りながら分かったことは、このような場合、利害関係人または検察官が家庭裁判所に申し立てを行い、家裁に相続管理人を選定して貰い、その管理人が遺産処理を行うとのことでした。
私たちは、遺産もあり、亡夫が入っている墓地もあるのであれば、故人がその墓地に入れるようにすること、そして遺産の一部で、永代供養の手続きをして、残額を国庫に納めることに出来ないものかと考えました。
管轄の家裁に電話して問い合わせました。
家裁の担当官は、葬儀をとり行った人などは利害関係人になりうるが、私たちの場合は、利害関係人とは認められない、との返答でした。
うーん、というのが現在の状態です。
このように人情味のない結論を平気で言う人たちですから、私は法曹界などハナから進む気がありませんでした。