(六本木交差点)
東京都シルバーパスを購入して、都バスを気軽に利用できるようになり、私も、都心のお年寄りに仲間入りしました。
渋谷から、都01系統のバスで、西新橋一丁目まで行きました。数分おきに出ています。しっかりと左側の外の見えるところに座席を確保し、都心のバスの移動を楽しみました。久しく、都バスをゆっくり乗ることもなかったので、目まぐるしく変わる東京の街を驚き半分、懐かしさ半分で眺めていました。
途中、六本木を通りました。帰途、小雨が降っていましたが、懐かしい六本木で途中下車しました。
私は、中学一年生から、25歳頃まで、近くの麻布十番に住んでいました。昭和25年頃から、38年頃までです。戦前は、これも近くの市兵衛町(現在の六本木5丁目)に住んでいました。かすかに記憶があります。
上の写真は、左が渋谷、右が新橋、奥が青山、手前が飯倉方面です。
その頃は、正面角のビルのところには、誠志堂という名の比較的大きい本屋がありました。高校生までは、本を買う時は、いつも誠志堂でした。他には、大した店もない寂しい五差路の交差点でした。
このビルの名は、誠志堂ビルでしたが、本屋はもうないようでした。
戦前は、屋敷町だったのですが、近くに陸軍の麻布三連隊(後に防衛庁、今は、東京ミッドタウン)があったため、米軍の空襲を受け、すっかり焼けてしまっためか、何とも静かすぎる場所でした。
その六本木が、外国人などが集まる有名な街になるとは思いませんでした。
改めてよく見ると、何とも猥雑な酷い街ですね。昔の面影はありません。特に、六本木通りの上を通る首都高速道路は何とかならないものかと思います。
少年時代から、何層にも亘って、思い出のあるところだけに残念です。
何故か、六本木ヒルズや、東京ミッドタウンなどに入ってみたい気持ちは起きません。ここだけではなく、続々と都心に建つ高層ビルに、魅力を感じません。文化がないというか、ただの箱物というか、商業動機先行の思想のない味気なさを感じてしまいます。