2日前のエントリーですが、TK9115さんの
ヒゲよさらば!!! を面白く読ませていただきました。
野球界にだけ、球団オーナーという肩書きがあります。
ヨーロッパのスポーツクラブのオーナーや、アメリカの球団オーナーなどは、スポーツ貴族の社会を形成しています。
日本の場合は少し様子が違います。
ヤクルト、西武、ロッテ、日本ハム、オリックス、ダイエーなどは、たたき上げのオーナー経営者の企業です。
球団は、オーナーの意を体して、その企業が作ったり買ったりしたものです。
この中に、TK9115さんの云われるようなエスタブリッシュメントが居るとすれば、先ず、西武の堤オーナーでしょう。
そしてオリックスの宮内オーナーも財、政、官界に影響力が強く、エスタブリッシュメントにカウントできます。
エスタブリッシュメントと呼ぶためには世間が野球の球団オーナー以上の高いものを認めていなければなりません。
他のオーナー経営者はカウントできないでしょう。
残りの球団は、はサラリーマン経営者ですから、誰かがそういう地位を順番にこなします。
普通はオーナーという肩書きにそぐわない人たちです。
それでも世間が認めれば、エスタブリッシュメントと呼べます。
渡辺前巨人オーナーはその中でマスメディアの代表として政、官、財界に影響力がありました。エスタブリッシュメントでした。
今回の騒動の初めの方で、名前が出ていた堤オーナーは、その後さっぱり名前が出なくなりました。
上に挙げたエスタブリッシュメント的な3人の中で、この人だけがスポーツビジネスに精通している人だと思います。
それだけに世間の意向を慎重に読んで、上手に立ち回っているのかもしれません。
今後の言動によって、評価が決まります。
「選手ごときが云々」は、プロ野球選手を競馬馬扱いにした発言です。
その向こうにるファンをバカにしたことにもなります。
世間は絶対に忘れないでしょう。
この人は、この程度の人だったのです。晩節を汚しました。
オリックス、近鉄の合併を強引に進めたことが、今回の混乱の出発点でした。
その上に、楽天の仙台乱入は、オリックスの宮内オーナーのエゴに原因があったようです。
こういうことが明らかになってくると、「公正な審査」に世間の鋭い視線が集まります。
エスタブリッシュメントは、決してこの様なドジは踏みません。
この程度のことは上手く収めます。
新しい参入者を上手く迎え、そこから業界全体のエネルギーを引き出します。
今回のライブドアーに対する異様な拒絶反応は、秘かに進めようとしていた1リーグ構想が、ライブドアーによって阻害されたことが大きいのでしょう。
5&5も6&5も、いずれも1リーグ構想のシナリオに乗ったものです。
6&6にしなければならないなら、自分たちから見て、もっと可愛い楽天が望ましい、ということで参入依頼となったのでしょう。
この様に正しい判断力、決断力に欠けているエスタブリッシュメント意識の強い人(財界人の多く)は、少し自覚している所があります。
自信がないので、気の利いた若手や一部の女性経営者を身の回りに置き、ヒントを得たりしようとします。
そこに財界人好みの彼や彼女の、活躍の場があるのです。
いわゆるジジゴロシです。
日本の活力を殺いでいることの一つに、未だに世間やビジネス界に学歴崇拝が残っていることです。
企業から派遣され、MBAの資格を取った人を沢山知っています。
しかし、テクノクラートとして優れている人は沢山居ますが、エスタブリッシュメントと呼べるレベルの賢さを持った人は、ごくごく僅かです。
楽天の社長はどうなのでしょうか。