中国の大気、土壌汚染の影響が、日本に影響を与えていることは確かです。しかし、しっかりしたデータで議論し、環境に対する堅固な態度がない限り、問題解決は進みません。
この記事に出てくる柳澤准教授や、環境省の課長補佐の態度を見ていると、政府や、学者の環境問題に対する対中取り組み姿勢を典型的に表していると思います。
これでは、結局、何もしないことになるのではないでしょうか。
それでは、どうするのですか?という問いに対して、柳澤准教授には答えがありません。
学者にお願いしたいことは、どんどん英語で論文を書いて、世界にアッピールしてもらいたいと思います。環境問題の学者、研究者にデータを提供し、国際会議でおいても、イニシアチブをとって、活躍していただき、世界中に理解者を増やすことです。
環境省の役人の云う、「最終目的はアジア諸国が越境汚染に関する長期的な条約を結ぶこと」は、「百年河清を待つが如き」ではないでしょうか。有効な条約が、何時、出来ると思っているのでしょうか。
環境省は、地球の問題として、地球第一の汚染者中国に対して、世界の包囲網を形成することです。環境問題解決の決め手は、外交力だと思います。
人権と同じように、中国に対して、世界レベルで圧力をかけても、その気になってもらえるかどうかの政権ではないでしょうか。そういう相手だということをしっかり認識して、取り組んでもらいたいと思います。
この件に関しても、世界の常識は、中国の常識ではありません。
中国の現政権の最大の関心事は、政権の維持です。
環境問題は、私たちの目から見れば、政権のアキレス腱のように思えますが、中国共産党の優先順位は高くありません。
環境汚染に対する民衆の不満が全土で高まり、環境暴動が各地に広がり、諸外国から非難轟轟の状態になって、始めて腰を上げることになるでしょう。
それまでは、人権問題と同じように、国内的には、隠蔽、弾圧などで泳ぎ、外国に対しては、強面を続けるでしょう。
中国の環境問題に関しては、しっかりと、戦略を練って立ち向かわなければなりません。その前提として、日本側の外交基本方針の統一が不可欠でしょう。
外交を政局の材料に利用しかねないような状態では、とても無理なことだと思って、悲観しています。
おそらく、中国の工作で複雑化し、意志決定すら出来ないでしょう。