昨年一年で、日本は様変わりしました。
停滞感で行き詰まっていたものが、現政権に代わって、すっかり明るくなりました。経済が、良い方向に向かい出したような雰囲気になったからです。
しかし、本当に経済が良くなるかどうかが明らかになるのは今年です。その意味で、今年が正念場になります。
今年、消費税3%増税をクリアーできるかどうかが一番の問題です。
日本経済は、増税後、少しヨロヨロするかもしれません。状況を見て、残りの2%の引き上げは、先送りされる可能性がありますが、余り無理をしない方が賢明だと考えています。
円高が回避されれば景気が良くなると考えられてきましたが、もはや、輸出産業の主力は、円高対策は終わっていて、余り関係ないように思います。円高対策のために中国に生産拠点を作った企業が、今は中国から脱出している段階です。日本に戻るのではなく、中国より条件の良い東南アジアなどに移転しています。
このまま円安が進み、たとえば1米ドル120円以上になると、今でも心配されていますが、円安のマイナス面が目立ってきます。原発事故以降増えているエネルギーの輸入費用は円安と相まって、輸入先への巨額の所得移転が、日本経済を蝕みます。
わずかな経済成長分を上回る莫大なエネルギー費用を支払い続けなくてはならなくなります。
今年は、稼働を中止している原発の一部が再稼働し出し、その数が増えていくことでしょう。それによって、円安進行に少しブレーキがかかるのではないかと期待しています。100円位の水準の為替レートで安定してくれると丁度良いのではないかと思っています。
内需が拡大し、少し景気が良くなってきたためか、建設現場などで労働者の不足が深刻になりつつあるようです。海外の労働力を活用する必要があると思います。
その意味では、バブルの頃入ってきた外国人労働者の評価をきちんとしなければならないと思います。人口減下の成長には、否応なしに外国人に頼らなければならないことになります。
移民導入政策をきちんと策定するべき年になると考えます。
経済がきちんと運営できれば、この国は安定し、諸外国との関係も、心配することが少なくなると思います。今年の日本には、様々な問題があるように見えますが、経済につきます。
日本経済の今年を占うためには、世界がどうなるかです。
大雑把に言って、米国、日本、欧州など先進国は、大きな下ぶれもなく地味ながら安定感のある経済が続きそうです。
反面、中国をはじめとする発展途上国には厳しい年になるでしょう。
BRICSなどと言う言葉も久しく聞かなくなりましたが、どの国をとっても問題は山積みで、低成長の国際経済下では、体質改善も難しいでしょう。
その意味で、隣国である中国は、昨年以上に厳しい局面を迎えることでしょう。内政に専念しなければならない状況ですが、内政の矛盾を外国との摩擦に向ける次元の低い戦術には注意が必要です。
この点では日本がターゲットになりやすいのですが、米国のミサイル巡洋艦の急旋回によって、中国艦船との衝突が回避された事件を見ると、米国との軍事的フリクションも厭わない状況であることも認識しておくべきでしょう。
中国の内政にしっかり目を向けながら、強かに対応していきたいものです。その面では、日本のインテリジェンスは弱いですね。
韓国も、先進国と中国などの間で、徐々に経済が厳しい状況になりつつあります。
何よりも、北朝鮮の状況如何で深刻な事態に追い込められかねない状況をしっかり認識して欲しいところです。どこかで、過去より未来の関係になって欲しいところですが。
安倍総理の靖国参拝を巡って、東アジアの外交関係に緊張が走ったように見えました。
中国の獅子吼は、外務大臣の上の党外交責任者、外務大臣、外務省報道官、国防省報道官なぞ沢山出ました。外務大臣は、欧米主要国、ロシア、韓国の外相と電話会談をしたそうですが、内容はどうだったのでしょうか。
私の見たところ、中国には打つ手がないと感じました。
もう靖国は中国のカードでなくなってしまった可能性があります。
日中関係がうまく行くかどうかは、靖国はと関係なく、中国の内政次第だと思いますが、これだけ反日を使ってしまうと、急には難しいのではないかと思います。
しっかり見ないといけないのが日米関係です。
北朝鮮をにらんで、日韓の修復を期待しているオバマ政権は、確かに「失望」した(困った)かもしれません。しかし、この問題は、デリケートな問題であることを承知してもらいたいと思います。
アメリカ大使館公式FBに書き込まれた数千(と言われている。数え切れない!)のコメントをご覧になったでしょうか。
しっかりした「失望」声明に対する日本人の意見、抗議などが書き込まれています。
内容は様々ですが、日本人にとっての靖国神社、極東裁判の不当性、原爆投下、3月10日の東京都大空襲で10万人の市民が死んだ事実など米国にとって厳しい意見が数多く投稿されています。これらのコメントをしっかり英語にして、少なくとも大使には良く読んで欲しいと思います。
中には沖縄で米軍に向けられているヘイトスピーチ(これは酷いものだそうですがメディアは報道しない)のようなものもありますが、米国が、日本外交をハンドルする場合に考えなければならないコメントだけで結構です。