この記事を書き出して、この頃は料理や酒に関することを書いてないように思って、過去ログを調べてみました。
確かに、このカテゴリーの記事は、前回から1年半ぐらい経っていました。
老化に起因するのか、食べ物の味にも、酒の味にも感動することが少なくなりました。
そんな折、先週職場の後輩と昼食がてら呑んだ日本酒は、久し振りに美味い酒を呑んだ気分にしてくれました。
秋田の純米酒で、ほどよい辛口のさっぱりとした酒でした。
メーカー名を覚えていたのですが、HPで調べてみても種類が沢山あって、どれを呑んだのかがよく分かりません。。取り敢えず、吟醸純米酒を1本購入、明日届くことになっています。
5年前の記事「
晩酌には純米酒を楽しむ」でも触れたように、私は純米酒党です。
といっても、純米酒ができて、日本酒が本当にうまくなったのは意外と最近のことで、1991年(平成3年)に日本酒級別制度が廃止されて以降です。純米酒とは、米ともろみだけでできているもので、醸造用アルコールを添加していない酒です。(醸造用アルコールが添加されているものは清酒と呼ばれる)
それまでは、全ての日本酒が清酒で、アルコール添加されたものでした。日本酒やワインで二日酔いすると酷い、といわれてきましたが、二日酔いの原因は、添加された醸造用アルコールでした。
自国内では、アルコール添加を認めないが、輸出用には認めている国があります。ワインでも、日本に入ってくるものは殆どアル添ものだと思います。
米国の日本酒はアル添していないから健康によい、と聞いたことがありました。日本も、ようやく米国並みの日本酒が呑めるようになったのです。
アル添して保存を良くし、例えばフルーティな味に仕上げたりして、女子の日本酒党を育てたり、外人に売り込んだ時期もありましたが、日本酒はなんといっても純米酒です。
今は、そんなに量は多く呑めませんが、昔は、肝臓を心配しながら沢山呑んでいたので、純米酒が手に入りやすくなったのは有り難いことです。
ついでに、噂と私のゲスを交えての話ですが、サントリーオールドという一世を風靡したかつては日本の高級ウイスキーがありました。何処に行ってもサントリーオールドが出てきます。
ロンドンに滞在している時に聞いた話です。
日本国内で売っているサントリーオールドには、防腐剤が入っているから沢山呑むと二日酔いになるが、輸出用のものには入れることができないから、それは余り二日酔いしないのだ、という話です。
防腐剤が入っているということは、蒸留酒でありながら、デンプンなどの増量剤が入っていることです。日本の消費者を欺いていたのです。
それを聞いて、日本ではオールドの愛飲者であった私は激しい怒りを覚えました。
丁度その頃は、バブルの頂点で、東京一極集中を避けるために、首都移転の議論が華やかでした。
新しい首都候補として仙台が名乗りを上げました。
別の都市を推していたサントリーの会長が、
「仙台は熊蘇の地」と発言して仙台を貶めました。
そこで、仙台を中心に東北の人々がサントリー製品の不買運動を展開した、ということがありました。
熊蘇は熊本といわれていますので、蝦夷と間違えたのでしょうが、インチキ商品を日本人に売り、高い酒の関税に守られて大儲けをした上に、東北の人を貶めたこの企業は許せません(別に私は東北に縁はありませんが)。
その後、TVドラマで取り上げられて、ニッカも含めて、日本のウイスキーの評価が上がったようですが、私は、それ以来サントリー製品は避けて、間違いないと思われるスコッチウイスキーを愛飲しています。