感想みたいなものですが、米の対中強腰はすごいですね。
米は、現在のところ中国に対して軍事、経済などを含めて総合的な国力で優位に立っていますが、5Gなどの新しい通信技術面でやや立ち後れていると言われています。
米中貿易協議の報道を見ていると、単に貿易だけではなく、将来の対中総合力優位を確実にするための国を挙げての対決に踏み込んでいるように見えます。
トランプ大統領のことですから、どこかで妥協することもあり得ますが、共和党も民主党も対中強硬派が強いようで、ワシントンは大統領以上の対中強硬派で占められているとのことです。
トランプ大統領といえども、ここまで来ると大統領選挙前に中途半端な妥協は難しいのではないかと思います。
日米開戦前に、米主導による日本包囲網が行った日本叩きはすごかったようです。
ついに石油の対日禁輸まで行われ、軍官僚独走で硬直的になっていた日本は、軍事、経済面などのでの劣勢を認識しながらも、勝てる見込みのない対米開戦に追い込まれました。
日本軍による対中戦争を上手に引く知恵と交渉力があれば、そこまで追い込まれることはなかったでしょうが、日本は逃げ道のないところに追い込まれてしまっていました。
今の中国は、共産党独裁政権維持のために譲れない線があるでしょうから、硬直的な対応にならざるをえない面が多々あります。
その点では、日米開戦前の日本と似ています。
中国の対米交渉責任者の劉鶴副首相は、一定の線で頑張っているようですが、首脳同士でやってほしいと弱音を吐いているとの報道がありました。
この6月、大阪で開かれるG20での米中首脳会談でどう進展するのか注目されるところですが、経済が曲がり角にある中国は、苦しい立場にあることは間違いありません。
対外債務が急速に増加している中国がどのように対応してゆくのかを世界が注目しています。
最近、世銀、IMF、アジ銀などが対中融資に対してプレミアムレートを要求するようになったとの報道がありましたが、現下の中国の最大の弱点である金融面は、市場原理で動きます。
米中交渉が長引けば、この面で中国は一段と劣勢に立たされます。
米国と事を構えて、それに打ち勝った例はありません。
そして、当分の間、そのようなことは起こりえないと思われます。